男女平等と男女差別についてわからなくなった瞬間
私の考える男女平等な社会というのは、「権利や機会が平等に与えられる社会」のこと。
男女平等というと難しい気がするけど、男女同権っていうと納得できる。
だって、男と女は絶対に平等にはなれないもの。
男に産休は与えられないけど、それは差別じゃなくて、男女差(違い)だからどうしようもない。
スポーツの試合で男女が分けられているのとほぼ同じ理由だから納得がいく。
でも、育休は男女関係なく取得する権利があって良いはず。
同程度の仕事と責任を持ってるのに、男女で待遇に差があるのは、基本的に差別と言わざるを得ないと思う。
だって、差がないのに、差をつけてるのは、差別じゃん。
ここまではけっこう簡単な話なんだけど。
昔、職場にこういう女性がいた。
30歳。超優秀なバリキャリ。
産休は取得したが、産後10日でフルタイム職場復帰をした。
男女問わず職場の人たちはみなさん心配し
「体は大丈夫なんですか?」
「お願いだから無理をしないで休んでくれ。」
と声をかけた。
でも、その女性は
「女はただでさえ昇進に不利です。ここで休んだら、また男性と差が開きます。私は男性と同じだけ働いて、"女だから"と言われることなくキャリアを築きたいんです。」
と言った。
誰も何も言い返せなかった。
この話を聞いたとき、とても胸が痛くなりました。
確かに、勤務日数や時間だけで言えば、産休を使った女性は、休まなかった男性と比べれば、働いていないかもしれない。
だけど、単純に時間だけで比較できるものなのか?
能力でも評価されるべきでは?
ただ、同じくらいの能力の男女がいたら、男性の方が優遇されやすいのが社会の現実なんだろうか。
この女性がこのあとどういう経歴をたどったのか、体に異常がでることなく過ごせたのかどうかは何もわかりません。
ただ、私に強烈な印象を与えた。
男女に差があるから、権利に差が出るのは当然だけど。
(出産をする女性に産休があるのは当然という意味)
そこで生じた権利差によって、昇進に影響が出るのは、差なのか差別なのか?
気持ち的には差別だと言いたいんだけど、何も論理的に説明できないでいる自分がいる。
どう説明したら良いんでしょうか?
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