残念な質の保育園に対して個人ができることってなんだろう?〜新卒保育士さんにも考えてみてほしいこと〜

保育士でベビーシッターをしています。

 

むかしむかし、保育園の採用面接のために、いくつかの園に伺いました。ほとんどの園は、オーナーさんや園長さんが明るく対応してくれて、他のスタッフさんたちも笑顔で、「子どもたちも楽しそうで、素敵な園だなあ」「ここで働けたら良いなあ」と思うところばかりでした。

 

しかしながら、大変残念なことに、箱だけ保育園というのは存在します。認可、無認可には一切関係がありません。

 

(質の高くない保育園は、特に、新興住宅地に多いのではないかと予想されます。需要は多いのに供給が追いつかない。ゆえに誰でも園長にしてしまえるし、どんな保育士でも出勤していれば良い。そして人員が少ないから余裕がなくて質が下がる。というループなのかもしれませんね。これは完全に脱線していますのでこのへんで。)

 

私がお伺いした保育園のなかには、園長先生が自分のお給料のことしか頭にない、威圧的、保育士さんたちがビクついていてシンとしている、ゆえに子どもたちに全然笑顔がない(泣き声もない)。園長先生が来ても、子どもたちは誰一人として近づいて遊びに行こうとしないんですね。少なくとも、私が見た中ではこんなところは珍しかったのです。

 

この日は面接のあと、子どもたちにも、その保護者にも、何もしてやれないことが悔しくてたまりませんでした。

 

 

いま改めて、このような園に対して、私のような個人ができることってなんだろう?と考えてみました。結論に至るまでの思考プロセスが長めですみません。

 

まずはじめに考えたのは、国が調査員を派遣して、質を調べたらどうか?と思いました。でもそれは現実的じゃないですよね。

 

だいたい質の良し悪しの基準ってなんなのか。表にしてポイント制にしたところで、調査員それぞれの感覚によるところも大きい。しかも全部調べていたら時間もコストもかかりすぎる。そんなことをするくらいなら、箱と人員確保に投じたほうが良いでしょうね。

 

次に考えたのは、自分で園を作って、大きくなったら残念園を買収して、改善すること。でもやっぱり現実的じゃない。そもそも園を買収するなんて、できるのか?

 

 

こうして最後にたどり着いたのは、「とにかく関わらないこと」です。

 

職員としても、保護者としても、その園には通わないことです。

保育士がいない、利用者さんがいない、そうすれば必ずその園はなくなります。

 

 これも現実的ではないといえばそうかもしれません。すでに需要に対して供給が追いついていないのだから、保護者はどこでも預けられるなら預けてしまうかもしれません。

 

しかし、少なくとも、保育士さんは、働く園を選べるのではありませんか?

 

ここ何年、保育士さんは引く手数多です。近所だから、採用に通ったから、という理由だけで勤務しないでほしいのです。

 

質の高い保育園を増やす、というのは、残念な保育園を減らすことでも貢献できると思うんです。

 

私自身、残念園を辞退して、体制の整った信用できる園に行ったことで、相対的に見れば多少なり貢献したことに繋がっていると信じたいものです。

 

ぜひ勇気を持って、残念園から積極的に離れましょう。

それが結果的に、子どもの利益に繋がるはずです。