うつ病の通院服薬と不信感〜ヤブ医者が名医になったとき〜

うつ病と診断される前後、私は超がつくほど神経質になっていました。

人間不信がひどすぎて、どのお医者様も全員「ヤブ医者」に見えていたし、「誤診」「薬漬けにされる」と、日々怯えていました。

 

うつ病とはいえ、他の精神病の症状も出ていたので、「本当はうつ病じゃなくてパニック障害なんじゃ?」「躁鬱なんでは?」などと考えていました。

 

新しい薬をもらってきては、

「この薬は減薬しづらいって書いてあるのに、あのクソ医者め!」

 

新しい病院に行けば、

「外に出るのも苦痛で、やっとの思いで病院に来たのに、外で運動しろってどういうことよ!」

「あの医者ってば、全然人の話聞いてないじゃない!」

 

そして、「もうあの病院は信用できない。違う病院にしよう」と結論付ける。

これはうつ病患者あるあるなのでしょうか?

数回通っては通院をやめ、しばらくしてからまた別の病院に数回通って、を何度か繰り返しました。

 

それが、ある日ある病院で、「ここに通うことにしよう。」と思えた話です。

 

病院と担当医に不信感を持ちつつも、その日は2度目の通院でした。

どうせここもダメなんだろう、と諦めながら、なかば試すようなつもりで、先生にこう訴えました。

 

「先生、私、気持ちはもう元気です。ただ、体が言うこと聞かないだけなんです。普段通り動けなくて、だから不安になって落ち込むんです。」

 

いま思い出すと、いいから休んどけ!とツッコミたくなるのですが、当時は本気でそう考えていたんですね。そんなことで「試してやる」などと馬鹿げたことを(笑)

 

これに対して、先生はきちんと目を見て話してくれました。

 

「心と体っていうのはね、別々のものじゃないんですよ。繋がってるんです。心身ともにって言うでしょう?」

 

先生は続けます。

 

「人間もね、動物なんです。ケガをした動物、冬の時期の動物、どうやって過ごしていますか?」

 

「体が”今は動けない””動くのは危険”と判断したら、じっとそこで、動けるときが来るのを待つんですよ。人間も同じです。」

 

あちゃー。それは本当にその通り。

どこが悪くても、休まなきゃいけないときは休むしかないか。

一本とられた、というよりも、スーッと納得ができたんです。

 

最後に先生に、

「無理しないでね。よく休んでください。」

と言われて診察は終わりました。

 

この先生は、よく患者と話そうとしてくれる面白い先生だったのもあるんですが、薬の種類、副作用、量や減薬、断薬についても、相談ができました。おかげで少しずつ信頼できると感じるようになり、長く通うことができました。(5年弱お世話になりました。)

 

おそらく、コロコロ病院を変えたり、私のように途中で通わなくなってまた通院して、を繰り返している方も多いのではないかと思います。

 

信用できなくてそうなってしまう気持ちはよくわかります。

合う薬や楽な過ごし方が見つかるまで、それなりに時間がかかりますしね。

いま調子が悪いのに、合う薬を探すという、なかば自分を実験台にして過ごす最初の何ヶ月は、特に不安ですよね。

 

少し大変かもしれませんが、思い切って先生や看護師さんに不安を打ち明けてみるというのも良いものですよ。私は特に、減薬しやすいのかどうか、体質に合うかどうかなどを聞きました。

 

お医者様によっては、患者さんから「この薬を試してみたいです。」といった希望を受けて、考えてくれるそうです。

 

私もうつ病が再発したときには、「次はこっちの薬を試してみたい」と思っているものがあるので、相談してみようと思っています。

 

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