大人になったとき残るものから逆算して子育てする考え方

 

保育士でベビーシッターをしています。

 

たくさんの親子を見るなかで、「自分が子育てをする番になったらこんなふうに考えたいな」と思う考え方を書きたいと思います。

 

さっそくですが、まずはわかりやすい例から。

 

よくネットにもある子育ての悩み相談のなかに、

 

「うちの子はまだ寝返りしない」

「まだハイハイができない」

「まだつかまり立ちしない」

「まだ歩けない」

「オムツがとれない」

「まだ字が書けない」

 

こういった「まだ〜〜できない」のお悩みが多くあります。

 

逆に

 

「まだ◯ヶ月なのに、もう◯◯ができるようになった!」

 

と自慢される方もいます。

 

まだ子どものいない人から見ると、

 

「そんなの個人差じゃん。」

 

で片付けられるのですが、実際自分が親になったら、子どもにはこうなってほしいという期待や願望を持って子育てするでしょうから、どうしても他人と比較して焦ってしまうと思うんですね。

 

だけど逆算して考えてみましょう。

 

仮に、子どもが五体満足、特に大きな障害もなく成人式を迎えられたとき、

 

まだオムツしてますか?

まだ漢字書けませんか?

 

そう考えたとき、スピードはあまり重要ではないような気がします。

 

これは想像しやすいですね。

 

 

では次に、こういうのはどうですか。

 

「人との約束は守りなさい」

「時間は守りなさい」

 

なんだか正しい気がしますね。

 

私が親なら口うるさく守らせようとしてしまいそうです。

 

しかし、なかにはそうでない親御さんもいらっしゃいます。

 

彼らは、約束や時間を守らなくて良いと主張しているのではなく、

 

「それを守るその先にあるものはなにか」

「それを守る目的はなにか」

 

をよく理解しているのです。

 

どうして約束を守るのですか?

どうして時間を守るのですか?

 

それが正しいと社会で言われているからでしょうか。

信用できる人間だと思ってもらうためでしょうか。

 

社会のためではなく、自分のためなんですね。

 

こういう親御さんのお子さんは、実は自分から時間を守ろうとします。

 

それは、約束や時間を守る意味を、お子さんなりに理解しているからです。

 

決して、ママが守れっていうから、、じゃないんですね。

 

(もしかしたら親御さんよりお子さんの方が、時間に厳しいかもしれません!笑)

 

 

そして、こういった親御さんは、お子さんの気分の波も受け止めています。

 

大人だって、今日は仕事行きたくない。

今日は一人でいたい。

 

そういう気分の日もありますよね。

 

子どもも同じです。

 

今日は家で遊びたい。

今日は学童行きたくない。

 

足取りが軽い日もあれば、重い日もあります。

 

私が親なら、自分の子どもには、

 

「ワガママ言ってないで早く支度しなさい!」

 

ノロノロしてないでちゃんと歩きなさい!」

 

なんて注意してしまうかもしれません。

 

仕事していたらなおさら時間がなくて、余裕をなくしてしまうかも。

 

だけど、カッコイイ親御さんは違います。

 

子どもがタラタラ歩いていたせいで遅れても、

 

「その日によって歩いたり歩かなかったりするから、今日はそういう日だった」

 

と大きく受け止めているんですね。

 

そして笑っていられる余裕があって、カッコイイ。

 

そして子どもさんの方は、

 

「しなきゃいけないのはわかってたんだよな」

「遅れたのはちょっとまずかったな」

 

って、きちんとわかっている顔をしています。

 

毎日遅刻して良いとか、なんでもワガママで約束を破って良いとか、そんな極端なことを言っているのではないんですよ。

 

そうではなくて、

 

気分の波はありつつも、子どもなりに頑張ろうとした姿勢を評価しましょう

 

という話なんです。

 

こうやって親に認めてもらえた経験があると、他人への寛容さを身につけられる大人になるかもしれません。

 

 

「◯◯できなかった、よりも、頑張ってやろうとした」

 

結果より過程を見ているし、努力する目的や理由をわかっている。

 

 

子どもが成人を迎えたとき、その子に残してほしいものはなんでしょう。

 

オムツがとれた歳の早さでしょうか。

保育園の皆勤賞でしょうか。

ママに言われなくても自分で考えて努力する姿勢でしょうか。

人に信頼される力でしょうか。

 

 

このなかに正解はあるかもしれないし、ないかもしれません。

 

子育てに正解がない以上、答えは人それぞれ違います。

 

きっと私自身は、自分の子どもには言いすぎてしまうことがあるだろうし、忙しくて疲れて余裕がなくなることもあると思います。というかほぼ確実にそうなるでしょう。

 

だけどちょっと冷静になって、「どうして私はこれを口うるさく子どもに言ってるんだっけ?」と振り返れた瞬間、この記事のことを思い出して、ちょっとでも笑っていられる余裕ができたらいいなと思います。

 

ああ、自分の子にはキツくなってしまいそうでコワイ。。