プレミアムフライデーいらないから定時で帰して!〜子どもは無理かなと思った話〜

転職しても変わらない残業

最近主人が転職しました。今の会社に入社する前、会社からは「うちは残業するならその分勉強時間にあててほしいと思っているので、あえて残業代を低く設定しています。」と説明があり、てっきり残業時間は少なめなのかと甘く考えていました。

 

ところが入社早々から残業、残業、残業。朝早く出勤して、仕事が終わるのは日付が変わってから、終電で帰宅する毎日。月ー金のはずなのに、土曜出勤が当たり前。

 

前職も同じ職種で、残業、残業の毎日。やっぱり日付が変わらないと帰ってきませんでした。今度の会社では、少しは早く帰れるかもと期待していたのに、就労時間は変わらず。主人自身は、業務内容は前よりもマシになったと言いますが、拘束時間は改善されませんでした。

 

どちらの会社も残業代を払ってくれる点ではブラックではないかもしれないけど、数時間だけ寝てまた仕事に行く人間をそばで見ていると、ダークグレーに思えてならないのです。

 

仮に今後転職をし続けたとしても、出るかわからないサイコロの目を振り続けるようなもので、ホワイト企業にたどり着けるかはわかりません。

 

家族が成り立たない

主人がそんな働き方をしているなか、お気楽な専業ニートの私は、わずかばかりの家事をこなし、主人から頼まれた雑用を終わらせ、「もしも子どもがいたら」の妄想をしながら過ごします。

※私が自分のことを専業ニートと書くのは事情あってのことです。世の中の専業主婦、専業主夫の方に悪意があるわけではありませんので誤解なきようにお願いします。

 

しかし、夕食の準備が終わり、夜8時、9時、10時と時間が過ぎるにしたがって、主人の体調を心配する気持ちが募り、不安になり、「やっぱこれじゃ子どもは無理かあ」と落ち込みます。(ワンオペ育児をされている方の気持ちを想像すると胸が痛みます。)

 

実際、今の私の任務は「日付が変わって帰ってきた人を1分でも早く就寝させること」になってしまっていて、主人の話を聞く時間もろくにないし、私が話す時間もない。流れ作業的に、「メシ!風呂!寝る!」になるのが現実です。主人に不満はありません。ただただ不憫に思えてならないのです。

 

夫婦二人でさえコミュニケーションがとれず、ただの同居人化してしまっているのに、子どもがいたらどうでしょうか。一緒にご飯を食べることもお風呂にも入ることもない、「たまに顔を見るオジサン」がいるだけ。

 

もし主人が根っからの仕事人間なら、家族としてその生き方を尊重し、応援します。でも、うちの主人は家庭第一主義の人間です。私のことを「飯炊き風呂焚きババア」にしたいと望んでもいないし、「たまに顔を見るだけのオッサン」になりたいとも決して思っていないのです。

 

私が寂しいと思うのは私の勝手ですが、きっと子どももさみしい思いをするでしょうね。何よりこれは主人が期待していた働き方、生き方でもないはずです。

 

一主婦の理想論と現実と

私の理想論では、定時とまでは言わないにせよ、せめて夕飯時間には帰ってきてほしいです。頭では理解していますよ。夜7時8時には帰れないサラリーマンが大半だということは。

 

いつだったか、女の芸人さんがテレビで「旦那を早く帰してほしい」と訴えたという記事を読みました。

 

その批判内容として、「テレビを通じて訴えたら、夫の立場を悪くする」といったものが挙がったようで、これは否定できないなと思いました。テレビを通じて有名な方が発言することを考えると、もう少し配慮が必要だったかもしれません。

 

しかし、あくまで一人の主婦として考えると、というよりは一人の人間としては、「早く帰して」という主張は、本当にこれ以上でも以下でもない気がします。

 

子どもがいるかいないか、単身かそうでないかにかかわらず、もうちょっとマシな働き方ができる社会になってはくれないかと夢見てしまいます。病気の家族がいたり、介護をしていたり、いろんな事情の人がいて、最悪会社を辞めないと介護できない、子育てに参加できない。誰も幸せになれないのではと思ってしまいます。

 

主人の転職活動中、女性が多い会社も候補の1つにありました。そのとき「女性が多い職場だと、男の主人に仕事を押し付けられないか心配」なんて思ってしまったのも事実です。だけど、そんな考えが出てくる時点で、社会のあり方を疑わなければいけないのでしょうね。

 

子どもができたら転勤させられる人、会社内で妊娠の順番待ちをする人、正社員なら長時間残業が当たり前という環境にいる人、子どもがほしいけど職場に遠慮して悩んでいる人、しわ寄せに悩んでいる人、などなど。こんな人たちが子どもがほしくてかつ子育てに関わりたいと思ったら、極端な話、仕事を辞めるかパートしかなくなってしまうのでは。

 

人手不足の日本では厳しいのでしょうか。諸外国を参考に改善できる部分はないのでしょうか。

 

プレミアムフライデーいらないから定時で帰して

月末の金曜日だけ早く退社できても、働き方改革としては何の解決にもならないと思ってしまうのは私だけでしょうか。だって、その分他の日にまた残業で仕事調整しないといけないんでしょう? 「毎日定時で帰して」というのは理想論が過ぎて無理かもしれないけど、せめて長時間残業が改善されれば、夫婦正社員共働きでも子どもをもうけたいと思う世帯は増えるだろうし、その方が結果的には経済も潤って税収も増えるのでは?(短絡的すぎ?)

 

たとえば、私の友人(正社員総合職)の会社では、最近定時退社を強く推奨するようになったそうです。友人いわく「早く退社できるようになったら体力余っちゃって、会社帰りに習い事始めたんだ」と。詳細はわかりませんが、定時にあがれる分どこかにしわ寄せがくる形ではないようで、理想的な働き方だと思いました。

 

とにもかくにも、社会全体がもう少しこんなふうに健康的な方向に変わってくれたらいいなと思います。一人の人間が二人分働いて成り立っている社会は、少なくとも健康な先進国の姿ではないのでは。

 

会社の都合を度外視して本音だけ言えば、理想は、「なんでもいいから主人を早く帰してほしい、子どももほしい、夫婦で協力して子育てしたい」です。子どものことはともかく、主人の健康が私にとって結局一番大事だから、やっぱり早く帰して!