子どもに家の手伝い、家事はさせた方が良いの?〜基本的にやらせないけどメリットも〜

子どもが自主的に「やってみたい」と言った、興味を持って行動した、という場合を除いて、親の方から家事を手伝うことを促すのは、私はナシだと思っています。こういうことをいうと、「子どもを甘やかしている」とか「子どもが家のことをできない人間に育つのでは」と批判する方もいるかもしれません。しかし、親が家事を積極的にやらせないと、家事ができない大人になるでしょうか。逆に、親にやらされていると家事が嫌いになる可能性が高まるような気がします。親子と家事の向き合い方やコミュニケーション、子どもが家事をするメリットについて書いてみました。
 
子どもの興味や自主性を尊重したい
子どもの自主性に任せてのびのびと成長させた場合、その子は大人になってから、自分でやるべきこととやりたいことを考えて計画的に行動できるようになると思います。そうなれば、一人暮らしをして家事をしないといけなくなったとき、自分で試行錯誤しながらやり方を確立していくはずです。家事をやらせない親のことを「子どもを甘やかしているダメ親だ」という親は、「自分が子どもに家事をやらせて甘えている」という側面にも気づくべきでしょう。
 
 
責任感のある大人になればいずれ自らしようとする
私の周りは、「実家を出るまで家事なんて大してやったことなかった」という健康家庭育ちの人がけっこういます。じゃあ、みんな家事ができないかってそんなわけありませんよね。うちの主人もそうです。主人のお母様は「家事は私の仕事」といって、ほとんどやらせたことがなかったそうです。でも、主人自身、「必要なことは自分でやる」と自立できていますから、生まれて30年洗濯機を触ったことがなくても、必要に迫られればできます。私が専業主婦なのにもかかわらずです(私はもうひたすら感謝)。それは主人のなかで「家は夫婦二人で維持する」という考えがあってのことです。誰にそう言われたわけでもありませんが、自主的にそのように捉えてくれています。
 
 
親はなるべく楽しそうに
また、家事をすすんでやる人間に育てたかったら、親が楽しそうにやる姿を見せておくことしかできないと思います。良くない例として、私の場合は、父が私に家事を強制し、母は嫌々家事をやっていました。特に料理は嫌いだと毎日毎回文句を言っており、そのせいで家のことをするのがとにかく苦痛です。台所に立つたびに無意識にイライラしてきて疲れたり、ただ布団をたたむだけなのに精神的にとても疲労します。こうなるとただの面倒くさいでは済まなくなるので、非常に厄介です。これはだいぶマズイ場合ですが、こういった事態を避けるためにも、やらせないようにして良いと思います。
 
 
子どもがやりたがったらお手本を見せる
ただし、子どもが自分から興味を持った場合は別です。なんでも親のやっていることを真似したがるときがあると思います。そのときは、一緒に家事を楽しんで、「ありがとう」「がんばったね」と声をかけてあげるといいでしょう。また、簡単な家事をとおして「手先が器用になる」というメリットもありますので、子どもがやりたがった場合は、言葉でやり方を教えるよりも「よくお手本を見せる」ことを意識して、子どもの学びを助けられたら良いなと思っています。もちろん子どもが飽きたら、それはそれでやりたいようにさせておいたら良いのです。
 
 
親と一緒にやるのが楽しい場合も
私の知り合いに、まだ高校生なのに、とても料理を手際よく楽しそうにこなす子がいます。話を聞いてみると、彼女は好きでお母さんの隣で一緒に台所に立つそうです。彼女のお母様のことも知っていますが、子どもの自主性を尊重しているのが何気ない言葉や行動からよく見て取れます。何よりお母様自身がとてもエネルギッシュな方で、仕事に家事に趣味に、何にでもとても一生懸命、全力投球といった感じなので、親がそんなふうに楽しそうにしているから、子どもも好きなことを楽しく取り組むのだなと思いました。そして、料理が親子のコミュニケーションの時間になっていて、お互いが尊敬し合っている理想の距離感をみて、とても羨ましく思えました。
 
 
いろいろ考え方があると思いますが、今のところうちの家庭では基本的にこんな感じにしたいねと話がまとまっています。