「子育てに不正解はない」は本当か〜間違いはだいたい決まっている〜

 
このような記事を読みました。
 
 
さて、こちらの記事では「子育てにまちがいなんてない!」と断言しており、さらに親が子どもを思って選択したことに間違いはないのではと述べていますが、果たして本当でしょうか?
 
 
結論からいうと、私はこの記事の一部には、あまり積極的には賛成できません。私は「子育てに不正解はあっても正解はない」と思っています。なぜなら、どの育児本を読んでもわかる通り、共通して出てくる間違いというのはほぼ決まっているからです。試しに書店で2、3冊めくってみると分かりますが、正解はそれぞれでも、不正解はほぼ一致しているのです。だから、不正解は避けなければなりません。
 
 
例えば、「宿題しなさいと命令しない」とか、「親の自分勝手なルールを子どもに押し付けない」とか、その他ありがちな間違いというのは、すでに答えがほぼ出揃っています。この例で言えば、そういったことをすると、子どもの自主性ややる気を失わせ、子どもを混乱させるという理由から不正解に分類されているのです。だから、子育ての「やってはいけないこと」は、親がいくら子どもを思いやってのことだったとしても、いつも不正解のままのはずなのです。もし記事の通り、親が子どもを思って選択したことに間違いがないとすれば、「宿題やりなさいと命令する」という行為も、親が子どもを思っての行動ならば、正解になってしまいます。それではいけません。不正解は不正解と認め、親は改めなければなりません
 
 
では、正解の方はどうでしょう? 私は子育ての正解は複数存在すると思います。なぜなら、親子の組み合わせは複数存在するからです。親の考え方、子どもの考え方がそれぞれある以上、「これこそが正解」というものは見つからないでしょう。あくまで、「この親とこの子の場合はこれが正解でした」という事例でしかないと思っています。
 
 
育児本を読んでわかるのが「この親とこの子どもにはこういうやり方が合っていた」であるならば、「私とこの子にはどんなやり方が合っているか」「私の家庭では、この人のこの方法を応用できるかもしれない」といったふうに、その親子の組み合わせでの正解を模索していくしかないのではと思います。
 
 
こう思う理由も、どの育児本を読んでも、著者の思いが共通しているからです。「うちはこうやりました」「私の家はあんなやり方でした」と成功例や良い事例がたくさん載っているわけですが、どの著者も最初からずっと正解を出し続けていたわけではないと思います。よく子どもを観察して「子どものために何が最適か」を常に考え行動し、反省し、改善を重ねているはずです。だから自分が親になったとき、「悩みながらも少しずつ私たちのケースでの正解を出していく姿勢を持つ」ことを、どの育児本からも学ぶ必要があるのかなと考えています。
 
 
また、この記事では「自分軸で選択せよ」とありますが、少し語弊があるように感じました。確かに最終選択は親がすることに変わりないのかもしれませんが、子育ての方法を見すぎるあまり、実際その場にいる子どもをよく観察することを疎かにしてしまっているような印象を受けてしまいました。親がどうしたいかも大事ですが、子どもがどうしたいかを汲むのも大切だと思います。その上で判断したいなと思いました。
 
 
今回参考として挙げた記事は、かなり悩みすぎてしまっている子ども思いの親御さん向けなので、「大丈夫ですよ」と伝えたくて「まちがいなんてない」と表現したのかなと思います。しかし、なかには自分の都合の良い部分だけを切り取って、堂々と間違った道を進んで行かれる猛者もいますから、自分が変な方向に進まないためにもあえて書いてみました。(そんな猛者は何を読んでもどんどん不正解を重ねていきますけどね、笑)
 
 
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