親がうつ病でも子どもに与える悪影響を少なくする方法を考える〜親が病気のとき、子どもへの接し方〜

うつ病持ちの人が親になると、子どもにどんな影響を与えるかという記事はよく見かけますが、子どもがいるのにうつ病になってしまったときの対処法に関する記事は少ないように思いました。そこで、子どもに与えるネガティブな影響を少しでも減らし、子どもにとって安心できる家庭を築く、安定した精神状態を子どもに持ってもらう方法がないか、親が子どもにしてあげられることは何かを考えてみました。
 
もちろん、心身ともに健康な両親のもと、安心安全な家庭に育つ子どもと比べれば、影響が及ぶことは避けられないと思われます。しかし、うつ病になってしまったときはどうしようもありません。子どもに影響が及ぶことも覚悟し、それでも今できるなかで最善策は何かを考え実行するのみです。
 
子どもに寂しい思いをさせない
子どもの年齢にもよりますが、とにかく親は子どもに「あなたのことが大好き」「あなたが宝物だ」と声に出して伝え、抱きしめます。このとき、例えば「食事の支度をしてくれるあなたが好き」のように、条件付きで愛を伝えるのは絶対にいけません。それをすると、子どもに仕事を義務化してしまうことになりますから、必ず避けてください。親は無条件に「ありのままのあなたを受け入れるよ」と伝える姿勢が大切です。何もできなくても、とりあえず子どものそばで見守っているだけでもいいかなと思います。
 
親の病気は子どものせいではないと伝える
子どもにとって親は絶対の存在であり、子どもは、親の存在が自分の一部のように感じている面があります。親が体調不良で寝ているだけで、子どもは普段より静かになりがちです。共感性が高く優しい子どもは、「もしかして自分のせいでお母さんが病気になっちゃったのかも」と不安に感じると思います。子どもに無条件の愛を伝えるとともに、「あなたはいつも通りいてくれるだけで大丈夫だよ」と安心させる声かけをしましょう。
 
子どもの話をよく聞く
子どもが学校から帰った後やお出かけから帰った後、子どもの話を積極的に聞いてあげましょう。このとき、なるべく子どもの目を見て笑顔で話を聞きましょう。また、否定することなく「そうなんだね」と肯定的に聞き、「あなたの話が聞けて嬉しいよ」と褒めて受け入れましょう。うつを患っているときはこういったコミュニケーションすらしんどいかと思いますが、可能な限り対応したいものです。
 
家事をやらせない
病気に限った話ではありませんが、本来なら家庭を守るのは両親の仕事です。その責任を子どもに押し付けて甘えてはいけません。特にうつ病の症状がひどいときは、トイレに行くのもしんどいほどですから、そばにいる子どもに頼りたくなる気持ちが出てきてしまうかと思います。でも、子どもがうつ病を理解できる年齢か否かにかかわらず、子どもはすでに精神的なダメージを負っているはずです。これ以上子どもに影響しないように、大人が協力して解決できるように努めましょう。夫婦で助け合ったり、家事代行サービスを頼んだり、親族などにお願いしてみたりして、子どもの負担にならないように気を配りましょう。
 
以上が、いま私が考えられる「もし子どもがいるのにうつ病になってしまったら何ができるか」です。上に挙げた方法は、親が病気でなくても気をつけたい基本的なことだと思いますが、病気ならなおさら配慮したいものです。
 
私自身うつ病でお休みしないといけない時期がありました。私の場合は毒である実家から逃れることで、うつ病の回復だけでなく、それ以外の精神的な重圧からも次第に解放され、生活のさまざまな部分で改善がみられます。そのため、どうやらうつ病の根本原因は実家だったのではないかと私のみならず主人も推測しています。とはいえ、毒から逃れたから再発しないという保証があるわけではありません。
 
そんななか、主人と私が子どもを持つことを選択肢の一つとしたとき、もし子どもが生まれてから再発しちゃったら、どうすればいいのか、を考えておく必要がありました。休養と投薬は前提になりますが、「自分のことだけで精一杯だから子どものことまで考えられません」なんて無責任なことはなんとしても言いたくありませんし、子どもに頼ることも考えたくありません。それなら子どもを持たないという選択をするのも、親の責任だと思っています。もし子どもがいてうつが再発してしまったときの備えとして、また、自分が無責任な親にならないよう戒めのために、この記事を書きました。