【わたしはマララ洋書比較】 I Am Malala 2冊の違いは? どっちを選ぶ?

ずっと前から気になっていた話題の本、「私はマララ」。でも買おうと思ったら2冊あってどっちを選んだら良いのか、内容がどう違うのか、そして英語のレベルは難しくないか、迷ったので2冊とも読んでみました。以下、ネットで比較されていた記事も参考にしながら、個人的に感じた違いをまとめてみました。

 
I Am Malala: The Girl Who Stood Up for Education and Was Shot by the Taliban (Written by Malala Yousafzai and Christina Lamb) 
邦題 わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女

ラムさんと共著の方は、背景がよりわかりやすく書かれているので、そういった意味で読みやすさがありました。ネイティブの文章に慣れている場合は、こちらの方がスラスラ読めるかもしれません。その反面、マララさんを少し遠くに感じるような、話のインパクトがちょっと薄まっているような、そういった印象はありました。
 
I Am Malala: How One Girl Stood Up for Education and Changed  the World
(Young Readers Edition) 
邦題 わたしはマララ:教育のために立ち上がり、世界を変えた少女

一方、ヤングリーダーズの方は、マララさんの言葉がものすごくダイレクトに胸に響きます。もっといえば、突き刺さります。ただ、より直接的にマララさんの言葉で書かれている分、パキスタンの言葉も多用されていたり(もちろん意味も書かれていますが)、慣れるまで少し辛抱する必要があるかもしれません。ほんのわずかな差ですが、文脈の理解しにくさを感じました。
 

結局どっちをオススメするの?

個人的なおすすめは、「2冊セットで読む」です。理解しやすさではラムさんと共著のもの、だけど、マララさん自身の、シンプルだけど心に強く響く言葉を味わえるのは後者。どちらも捨てられません。だけどどうしても1冊に絞るのだとしたら、ヤングリーダーズの方を選ぶかなと思います。

後者を読み始める前は、「どこか遠い場所で起きた悲劇」くらいの認識でした。でも、家族(特にマララさんのお父様)や友人、近所の人々、学校生活など、読み始めてすぐに、マララさんの実際の生活をとても身近にイメージできるようになってきて、「ああ、これは本当に起きたことなんだ」「遠い場所の誰か」に起きた悲劇でなく、いま現在生きている一人の少女(女性)に起きた話なんだと、とても恐ろしくなりました。こういった距離の近さを感じられるのはヤングリーダーズの方でした。

 

その他の違いは?

もうひとつ、下の参考URLの記事で言及されていて気付いたのですが、2冊の写真の違いも興味深いと書かれていました。前者の裏表紙の写真は、マララさんがお父様を見上げているもので、お二人の関係やマララさんがいかにお父様を尊敬しているかといった雰囲気が伝わってきます。後者の裏表紙の方は、他の写真とは違い、マララさんは写真に顔を向けていません。こういった違いも、本の中身を読んでマララさんの言葉に耳を傾けてこそ理解できるものかもしれません。

(写真はもしかしたら本によって違う可能性があるので、気になる方は購入の際によくご確認ください。)

 

参考: “I Am Malala: Comparing the Young Readers Edition to the “Original” by Kasey 

 

どちらの方が英語が簡単?

英語の難易度にそれほど違いは感じられませんでした。でも、前者のレクサイル指数は1000L程度、後者が800Lくらいのようですので、後者の方が少し易しいかもしれません。ご参考まで。

 

 レクサイル指数についてはこちらの記事にまとめました。

 

 

日本語訳されているものならどっちのバージョンを選ぶ?

和訳されたものを読んでいないのでわかりません。また、答えになっていなくて申し訳ないのですが、できたらぜひ、洋書の方を読んでみてほしいと思います。マララさんの言葉を強く感じられると思うので。